【育む人】青木めぐみさん|“がんばりすぎない食育”で、家族の食卓をあたたかく
\食卓に笑顔を。暮らしにゆとりを/
日野市在住のフードセレクトアドバイザー・青木めぐみさん。家族の食事に悩む方へ、“がんばりすぎない食育”のヒントを届けています。

食育を、もっとやさしく
きっかけは、子どものアレルギー
「忙しさにかまけて、手軽なものばかり口にしていました。そして、それが原因じゃないかって、自分を責めていました」
そう振り返るのは、日野市在住のフードセレクトアドバイザーの青木めぐみさん。
子どものアレルギー発症をきっかけに、「食」と真剣に向き合うようになりました。

それまであまり気にせず手に取っていた調味料や加工食品。
その裏にある原材料や添加物のことを学ぶうちに、「自分と同じように悩んでいる人に伝えたい」という気持ちが芽生えます。そこから、青木さんの“食育の旅”が始まりました。
“できていない”ではなく、“できている”を大切に
青木さんが提案しているのは、“80点の食育”という考え方。
すべてをオーガニックにしたり、無添加のものだけを完璧にそろえる必要はありません。まずは調味料をひとつ変える、そんな小さな一歩を大切にしています。

「“今日は全部手作りできなかった”じゃなくて、“買ってきたおかずだけど、この調味料は選べた”という視点に変えるだけで、気持ちがぐんとラクになるんです」
毎日の食卓に悩むママたちに、あたたかく寄り添ってくれる言葉です。
食卓に寄り添う、日々の発信
現在は、調味料の選び方を伝える講座やセミナーを各地で開催。また、公式サイト『めりはり食選び』やInstagram(@365.aoki)では、イラストや写真を交えて「調味料って奥が深くて、実はおもしろい!」と感じられるような情報を発信しています。

スーパーでの調味料や加工食品の選び方から、子どもと一緒に楽しめる調味料クイズまで、実践しやすく“ちょっとマネしたくなる”工夫が満載です。
青木めぐみさんって、どんな人?
プロフィールと活動歴
青木さんは静岡県出身。長年、企業で営業職として勤務し、大手メーカーを相手にキャリアを築いてきました。
5年間の不妊治療を経て出産。娘さんのアレルギー発症を機に、「本当に必要なものを選び取る力」に目覚め、食育の道へ。

現在は、“週末起業ママ”として、無添加・無農薬などにこだわる生産者と消費者をつなぐ「たべるとくらすと」での企画担当と並行し、講座・執筆・SNS発信などを行っています。
日野市との関わり
青木さんが日野市に移り住んだのは2021年。
それまで2年ごとに引っ越しを繰り返していたそうですが、「実家を出てから、こんなに長くひとつの場所に住むのは初めて」と話します。
家族でのびのびと暮らせる日野のまちは、彼女にとって安心できる拠点なのだとか。

そして2025年7月には、「日野市100人カイギ vol.7」にも登壇予定!
食と向き合うことの意味や、母としてのリアルな声を、会場でじっくり聞ける貴重な機会です。
地域イベントにも積極的に参加し、地元とのつながりを大切に活動しています。
今、届けたいこと
“無理しない”から広がる、食卓のゆとり
食育というと、「手間がかかる」「正解がわからない」と構えてしまう人も多いはず。でも、青木さんはそんなハードルをそっと下げてくれます。

「家族が笑っていられるなら、それが一番。完璧じゃなくていいんです」
無理なく、できることをひとつずつ。
“がんばりすぎない選択”が、暮らしにゆとりを生んでくれます。
目指すのは、家族みんなの笑顔
青木さんの食育のゴールは、「正解」を教えることではなく、家族みんなが笑顔になれること。
「子どもが楽しそうに食べているのに、“それはダメ”って言いたくない」
そんな想いから、親子で参加できる調味料クイズや選び方のワークショップも考案しています。

「“おいしいね”って一緒に感じる時間こそが、最高の栄養」。
その想いが、活動のすみずみにまで宿っています。
ひのさんぽ’s note|心に残ったひとこと
「こんな大事なこと、もっと早く教えてほしかった」
5年という不妊治療を経て、ようやく授かった大切な娘さんのアレルギーをきっかけに、“食”について学ぶようになった青木さん。知れば知るほど、ものの見え方が変わり、自分のこれまでの食への向き合い方を後悔したこともあったそうです。
決して彼女のせいではないけれど、同じように子どもの体調を「自分のせいかもしれない」と責めてしまう母親は少なくありません。
青木さんは、そんな苦しさとまっすぐ向き合い、たどり着いたのが今の活動。調味料の選び方、簡単なひと工夫、買い物のコツ――どれも「正解」を押しつけるのではなく、「その人にとって心地よい答え」を一緒に見つけていくというスタイルです。
完璧じゃなくていい。
少しの工夫で、心も体も変わる。
自分を責めなくてもいい。そんなメッセージが、今悩んでいる誰かの心をそっと軽くしてくれる気がします。