雪の下でふんばる、ふきのとう。
そこへ春風がふうっと吹いて、雪がとけて、春がやってくる。
そんな情景を思い浮かべたことがある方も多いのではないでしょうか。
日野市の小学2年生が国語の教科書で学ぶ、工藤直子さんの詩「ふきのとう」。
お子さんの音読で耳にしたことがある、という方もいるかもしれません。
その「ふきのとう」が、この春、やさしい絵とともに一冊の絵本になりました。

日野の出版社から生まれた絵本
多摩平の小さな出版社「ミアキス」
今回の絵本『ふきのとう』(詩・工藤直子/絵・くすはら順子)を手がけたのは、日野市・多摩平に拠点を置く株式会社ミアキス。
創業支援施設PlanTに拠点を構え、今回が初めての刊行作品となる一冊です。

自分たちのまちから本が生まれる。
そんな出来事が、少し身近に感じられるのも、この絵本の魅力のひとつかもしれません。
一冊にじっくり向き合うということ
ミアキスの特徴は、一冊一冊に時間をかけて丁寧に作ること。
今回の『ふきのとう』も、構想から完成まで約1年半。
言葉と絵にゆっくり向き合いながら、かたちになっていったそうです。

ページをめくるたびに、春の空気が静かに広がっていくような、そんな一冊に仕上がっています。

日野の自然とともにある暮らし
このまちで、本をつくるという選択
代表の梶塚さんは、日野の自然に惹かれてこの地に拠点を構えました。

黒川清流公園をはじめとする、手つかずの自然が残る風景。
そうした環境の中で、「このまちで本をつくりたい」と思ったことが、今の活動につながっているそうです。

現在も地域の自然に親しみながら、暮らしとともに本づくりを続けています。
春の訪れを感じながら
足元から始まる、小さな春
ふきのとうが顔を出し、春風がそっと背中を押すように、春は静かに広がっていきます。

桜が咲き始めたこの季節。
あらためて足元の小さな変化に目を向けてみると、また違った春の景色が見えてくるかもしれません。

日野から生まれた絵本『ふきのとう』。
春のひとときに、そっと寄り添ってくれる一冊です。
ひのさんぽ’s note|日常の中にあった言葉
子どもの音読で、何気なく聞いていた言葉。
忙しさの中で通り過ぎていたものが、ふと立ち止まって見えてきました。

何気ない日常の中にあった言葉が、こんなふうに心に残っていて、今の自分で受け取ると、少し違って感じられるのが印象的でした。
春は、気づかないうちに来ているものだと思っていました。でも本当は、少しずつ、足元から始まっているのかもしれません。
ふきのとうの姿に、そんなことを教えてもらった気がします。



